そして３日目になり、午前第１次のグラマンの攻撃は、今までのように１機ずつ順次攻撃して来たので我が方も落ち着いて対応し、何機かを撃墜・撃破したが、第２次の攻撃はガラリと戦法を変えて攻撃して来た。
　ちょうど昼近くになり、７・８機の編隊は今までのコースを順次１機ずつ急降下攻撃してきたので、我が方も今までの方法で射撃を開始したところ、太平洋上空にいた別の編隊６・７機の内１機が、向島上空を旋回した後、突然太陽を背にして、ほとんど真っ逆さまに近い状態で我が方に突っ込みながら銃・爆撃を敢行してきて、後続の機もこれに倣って、次々と突っ込んできた。更に別の編隊が、この反対方向より急降下銃・爆撃してきたので、我が方はほとんど３方からの急降下銃・爆撃下にさらされ、私は必死になって夫々の方向から突っ込んでくる敵機との直距離を測り報告していたが、太陽方向から突っ込んできた２機目か３機目の測定を開始した途端に、測高機の視界一杯に強烈な太陽光を見てしまい、カーッと両眼が熱くなったと同時に目がくらみ、何も見えなくなり、一時盲目になってその場にうずくまってしまった。
　恐らく砲隊の各１番・４番砲手（眼鏡手）も眼をやられたので、グラマンを追撃、照準することが出来ず、我が方からの砲撃は１時止まってしまった。その間もグラマンの急降下、銃・爆撃は容赦なく続いたので、我が方の被害、戦死者、戦傷者が続出し、大砲・器材が破壊された。